健康の話題網膜剥離体験談

2022/2/9更新 網膜剥離で二度の手術をすることに!管理人の体験談

健康の話題

いつもかずーむねっとフォトログをご覧くださいましてありがとうございます。

「左目に病気が見つかりました。手術しましょう。」

2020年1月9日、年末から左眼の奥に痛みが走ることがありましたので近所の眼科クリニックを受診しました。単なる頭痛なのか、眼にも問題があるのかはっきりさせようとしたためです。この時点では「眼には異常ないですよ~」と帰されるものだろうと思っていました。眼底検査の結果、医師から出てきた言葉は予想をしていなかったものでした。

診断名は裂孔原性網膜剥離というものでした。今すぐに大学病院を受診し手術を受けてくださいとの事です。今回の場合、自分自身が持っていた強度の近視が引き金となる自然発生的な剥離との事です。

網膜剥離とは?キーポイントは強度の近視

網膜剥離と言うと、球技やコンタクトスポーツで眼部に衝撃が加わり発症するというイメージがありますよね。これらの外傷による網膜剥離は年齢問わず発症しますが、強度の近視によるものは主に中高年以降に発症する傾向にあります。

網膜とは眼球の一番奥に広がる組織で、外界からの光の情報を視神経に伝える働きをします。強度の近視がある方の場合、眼球は前後方向に引き伸ばされてしまいます。硝子体と網膜に癒着がある場合、網膜は硝子体と共に強く引っ張られてしまいます。それにより網膜がちぎれてしまった状態を網膜裂孔と呼び、ちぎれた穴が広がると網膜剥離と呼ばれる病態となります。

今回の場合も裂孔が広がってしまったがために裂孔原性網膜剥離という診断となりました。

網膜剥離の前兆症状

網膜剥離の前兆症状として下記の症状が現れます。必ずしも発症しているわけではありませんがこのような症状を自覚している場合は早急に眼科の受診をお勧めします。

糸くずやゴミのようなものが見える(飛蚊症)

飛蚊症はよく聞くワードだと思いますが、視界に糸くずやゴミのようなものが見える状態を言います。

これは硝子体の濁りが網膜に写る事により自覚するとされていますので加齢により増加します。ぶどう膜炎などの炎症や眼底出血などでも硝子体の濁りが出ますので様々な病気が潜んでいる可能性があります。

チカッと光や稲妻のようなものが見える(光視症)

光視症とは、眼に光を受けていないのにチカッと光や稲妻のようなものを感じる症状です。暗い部屋にいても感じます。

この症状は眼の中の硝子体の動きに伴って網膜の癒着している部分が刺激を受けて発生するとされています。光が現れる場所がいつも同じの場合は、網膜剥離などの網膜の病変が疑われます。

光視症と判別が難しいのが閃輝暗点と呼ばれる頭痛持ちの方に診られる症状があります。今回の私の場合も頭痛がありましたので当初は閃輝暗点を疑っていました。素人判断せずすぐに受診する事が大切ですね。

飛蚊症が気になる方、増えてきたという方は定期的に眼底検査を受ける事をおすすめします。特に突然飛蚊症が増えた、チカチカするといった場合、早期の受診で早く病気を見つける事ができるでしょう。糖尿病などの基礎疾患をお持ちの場合も持病に影響して発症する眼疾患を早期発見しましょう。

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紹介状を手に急いで大学病院へ

クリニックの先生からは「即日入院になるかもしれないよ。」と怖いことを言われ、看護師さんからは「寄り道せず今すぐに行ってくださいね。」と慌ただしく送り出され大学病院へ向かいます。1時間程で大学病院に到着し診察を受けます。

当然ながら入院と手術が必要という診断は覆りませんでした。ただ、入院日が週明けの1月14日と言う事で少し猶予を頂けました。

その理由は剥離を起している箇所が左目の左下方だったという事。下の方の剥離は進行が遅いそうです。逆に上の方にできてしまった剥離の場合、重力の影響もあり一気に剥離が進行してしまいます。その場合、視力を失う恐れもあるとの事。これは不幸中の幸いでした。

週末に猶予が出た事で職場に顔を出し、仕事の引き継ぎをする事ができました。

いよいよ入院→手術!

いよいよ入院の日がやってきました。午前中に入院手続きを行い病室に案内されました。

当初の話では手術は夕方頃になるだろうとの事でしたので昼ご飯を頂いていました。「これが病院食か~。なかなかいけるやん。」と呑気に考えながら食べていると看護師さんがやって来ました。

「呼ばれました。手術、行きましょう!」

想定外に早かったため、当然ながら心の準備ができていませんでした。ただ、手術に対する恐怖心を考えるとそれがかえって良かったのかもしれません。

手術は宇宙を見ているような不思議な感覚

手術室に通されると、一息つく間もなく次々に器具が装着されていきます。流石大学病院。手慣れていますね。悪く言えばF1のピット作業のようですが…

麻酔を2種類(点眼麻酔・球後麻酔)を施されるといよいよ視界は真っ暗となります。「失明するとこうなるのか…」ここで少しばかりの恐怖を感じました。ちなみに、眼科手術の場合は通常局所麻酔で行います。そのため身体の他の部位は自由に動きます。

まばたきについてはまぶたを固定するような器具を装着するのでまばたきできません。まばたきについては実は手術前に心配していた事の一つです。

いよいよ手術開始!この時点では怖さというのは全くなくなっていました。その代わりに感じたのが、真っ暗な視界の中まるで宇宙にいるような不思議な感覚がありました。言葉では上手く説明できませんが、麻酔で感覚を失った状態で機械の動作音だけが耳に入ってくる状況がそうさせるのでしょうか。人体には小宇宙が存在すると言われていますが、あたかもそれを眺めているような体験となりました。

手術は無事完了!

術後の下向き姿勢がつらい・・・

今回の手術の術式は硝子体切除術と呼ばれるものです。内視鏡下で硝子体を切除し、レーザーで剥離箇所を焼き付けた後に眼球内にガスを注入しました。一般的には術後一週間の入院との事で、自分の場合も術後一週間の入院となりました。

硝子体手術のつらいところは下向き姿勢での安静保持が求められます。理由は、注入したガスの圧力で再剥離を防ぐため下向きの姿勢が必要となります。寝るときもうつ伏せ。座るときも下向き。歩くときも下向き。

手術前に先生が「修行のようですが・・・」と仰っていましたがあながち嘘ではありません。といっても一週間ずっと下向きというわけでもなく、経過により体位制限は緩和されていくようです。

入浴については翌日以降に許可が出ればシャワーを開始できます。髪も看護師さんがシャンプーをしてくださったため清潔面で不便になるという事はありませんでした。眼の手術の場合、あんまり病院内をうろうろもできないので三度の食事が楽しみとなりました。苦笑

ようやく退院、そして仕事復帰へ

1月21日の午前、経過良好との事で無事に退院できました。

今後は外来で経過を診て頂く事となります。退院後の経過をまとめています。

2020年1月21日 大学病院を退院

翌日から仕事に行き内勤業務をこなしています。

退院当初は左目に注入したガスの影響で視界がくもっていましたが、段々とその範囲は縮小。ガスが残っている間は退院後も横向き姿勢での睡眠が必要でした。1日4回の点眼薬も慣れてきました。

2020年1月29日 視界がクリアに!

朝起きた時にはガスが全て抜けており、クリアな視界を取り戻していました。

術後15日目ですので予定通りです。ガスが最後にはじけて消える瞬間を見届けようと思っていましたがそれが出来なかったのが唯一の心残り…笑

今まで通りに見る事ができるようになったため、デスクワークの効率が向上しました。

2020年1月30日 術後初めての外来診察

経過は良いらしく抜糸となりました。(縫ってたんですね。)

術後、目がゴロゴロするのは糸のせいだそうです。手術より抜糸の方が怖かったのはここだけの話です。点眼麻酔をしますので痛くはないのですがピンセットが見えるんです!

そんなこんなで大学病院での診察は今日で終了。大学病院の皆さん、ありがとうございました!余談ですが、入院費用を支払いましたが思っていた以上の点数だったため、目ん玉が飛び出てもう一度網膜剥離になりそうでした。笑

大学病院の先生からの注意点

今後1ヶ月間はまだ再剥離のリスクがあるので運動や身体を使う作業はNGとの事。振動による再剥離を防ぐためだそうです。

また、今回の硝子体切除術という術式の場合、白内障が早く進むおそれがあります。一般の方に比べ早期に白内障手術が必要になる旨説明を頂きました。今後はより目を大切にしていかないといけませんね。

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このまま順調に過ごせるかと思いきや…

2020年4月17日 網膜剥離が再発…

術後3ヶ月ほど経過したある日、仕事をしていると左眼の視野の上方がかすんでいることに気づきました。見えないわけではないが明るい場所でははっきりと自覚できました。飛蚊症も症状の自覚に合わせて酷くなっていました。

会社を早退して眼科へ。調べてもらったところ左眼の網膜に再び剥離が見つかりました。場所は前回の剥離と同じ網膜の下方部分。そのため視界の上の方に違和感があったのです!

クリニックでの日帰り手術を選択

再び手術となりますが、ちょうど新型コロナウイルスの感染拡大が進んでいた時期ということもあり大学病院も感染者を受け入れ始めたタイミングでした。

そのため、今回は大学病院での入院、手術を回避してクリニックでの日帰り手術を選択しました。日帰りで硝子体手術を実施できるクリニックは限られるようです。幸いにも大学病院と同等の手術機器を備えるクリニックでしたので日帰り手術が実現しました。

手術後は自宅で安静

日帰り手術となりますので手術後はもちろん自宅での安静となります。一度は手術を経験している事もあり事前にクッションなども準備したり勝手が分かっていたので助かりました。当然ながら自宅でもうつ伏せの姿勢で過ごします。入院時の密かな楽しみ(笑)だった看護師さんに点眼してもらうことも出来ず自分でしなければいけません。これが大変でした。

手術日を含めて病院の送り迎えも身内、親戚に助けて頂きました。

現在は調子よく過ごしています

二度目の手術から8ヶ月以上経ちましたが、その後は剥離はせず調子よく過ごしています。

最後までご覧下さいましてありがとうございます!

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